鬼才“Squarepusher”(スクエアプッシャー)による衝撃的デビュー・アルバムにして、その後の音楽シーンに多大なる影響を与えた不朽の大名盤「Feed Me Weird Things」。1996年にAphex Twinことリチャード・D・ジェイムスによるレーベル『Rephlex』よりリリースされ、10年以上もの期間、CDやLPはもちろん、ストリーミングやダウンロード配信も行われていなかった本作が、リリースからちょうど25年目にあたる6月4日にリイシュー!
2020年のアルバム「Be Up A Hello」では、90年代の機材を多用したという点も注目を集めたが、若干19歳の時に作った楽曲も収録されている「Feed Me Weird Things」を聴けば、当時の初期衝動が今もなお彼を突き動かし、常に型破りな作品を生み出し続けていることが理解できるだろう。
スクエアプッシャー本人が監修した今回のリイシュー盤の音源は、オリジナルのDATからリマスターされており、同時期にリリースされたEP作品『Squarepusher Plays…』のBサイドに収録された2曲「Theme From Goodbye Renaldo」と「Deep Fried Pizza」も収録。16ページの拡大版ブックレットでは、制作当時を振り返るセルフライナーノーツや、使用機材の情報を含む本人による各曲解説、当時の貴重な写真やメモが掲載され、キャリア初期の背景を解き明かす内容となっている。
様々なサブジャンルが誕生した当時のエレクトロニック・ミュージックにおいて、今作がこれだけ特別な輝きを放ち、他のアーティストによる同時代の良作と一線を画していた理由の一つには、ジャズの影響を強く受けたトム・ジェンキンソンが、ジャズとエレクトロニクスの革新的な融合を成し遂げ、その卓越したベースプレイを披露した最初の作品であることも挙げられる。複雑に構成され、時には超高速に展開するビートが刺激を与えてくれる一方で、すでに完成されていたベースプレイは、心地よく魅力的に響き渡り、先進的な音楽ファンのすべてを虜にした。
01: Squarepusher Theme
02: Tundra
03: The Swifty
04: Dimotane Co
05: Smedleys Melody
06: Windscale 2
07: North Circular
08: Goodnight Jade
09: Theme From Ernest Borgnine
10: U.F.O.'s Over Leytonstone
11: Kodack
12: Future Gibbon
13: Theme from Goodbye Renaldo
14: Deep Fried Pizza
(2021年6月4日発売)