東京のレーベル『Plop』から2007年にリリースされた、ドイツはハノーヴァー出身のマルチ・インストゥルメンタリスト“Hausmeister”ことChristian Przygoddaの6作目のアルバム。

エレクトロニクスの打ち込み感が影を潜め、心地よいテンポと生楽器が奏でる穏やかなメロディたち。タイトル「Water-Wasser」(英語と独語で「水」の意味)が表すように、様々な表情や景色を楽しむことをコンセプトに制作され、聴き手にもそれを感じさせるものとなっている。本人がアウトドアライフを過ごしているせいか、開放感と清々しさ、時に雲行きの妖しさを感じさせるような1枚。

本作はヨーロッパのクラシック音楽、電子音楽、フォーク、プログレ、ジャズに影響され制作。妻のSarah Hillebrechtをフルートとボーカルに迎え、その他の楽器や作曲、ジャケットの絵画まで全てハウスマイスター自身が制作。こうした多面性は、フランスの漫画家Moebius(The Hermetic Garage)やライターLars Gustaffson (The Third Rochade of Bernhard Foy)にも影響されている。生のアンサンブルが全面に栄える今作は、今までのクラブ/エレクトロの域を超え、ロック、ジャズファン等、幅広い層にアピールできるものとなった。特にサーフ・ミュージックファンには是非とも耳を傾けてもらいたい作品。清々しさと、即効性のあるわかりやすさでリスニングや、店内BGMとしても適しています。



01: Ursula
02: Jeden Tag
03: Raphael
04: Grosse Raeder
05: Amsterdam
06: Ada
07: Timotheus
08: Transport
09: Fynn Und Anton

（2007年4月7日発売）