左手の親指にボルト4本を埋め込むという大怪我を負ってしまった彼が思いついた一つのアイデア。 ”9本の指で9曲の短い楽曲を作ろう” 。1日1曲ずつレコーディングして完成した楽曲は、ゆっくりと丁寧に動かす指のタッチや鍵盤がこすれるノイズ、そして彼の息づかいさえも聴き手に伝わるようなパーソナリティーに溢れた作品。その彼の作品に対する姿勢に心を動かされたアーティストが多くのリミックスを送りました。その中からNils Frahm本人がセレクトした9曲の作品を追加して製作された2枚組限定盤。リミックスにはHelios、Sebastian Freijなどが参加。

[ 楽曲の選考について ]
2つからどちらかにするか決める時、結局1つの物をもう片方の物より気に入る事になるでしょう。今作の場合、何百もの曲の中から9曲を選ばなければなりませんでした。しかし、この論理に従いたくなかったし、それぞれの曲が張り合って欲しくなかったのです。私はクラシック音楽コンテストに参加している子供でもなかったし、今日の2015年ベストアワードの様な音楽の競争が好きではありません。私自身のレコードに自身の為に楽曲を選ぶとうい状況にあったこと、この困難な作業を管理する唯一の方法が集中して一斉に曲を聴くという方法だと思いました。今作『Screws Reworked』は曲のランダムな集まりであってはならないのです。

そんなレコードを作るきっかけは、皆様へのプレゼントとして2012年『Screws』のリリースと共に始まりました。リワークの公募は、みなさん自身で曲の解釈を行う出発点として考えました。圧倒的なフィードバックをいただきました。2ヶ月後には300以上の作品を受け取りました。選択のプロセスを行う事なく、オンラインのみで聴けるようにしてきました。作品に中に制作者自身の名前を見つける事がとても嬉しい事だと感じていたので、特にレコードでリリースする初めての場合、オンラインだけでなく実際のレコードにすることが重要だと思いました。

今こそ皆様の多大で美しい作品すべてに感謝する時です。自身の作品がここに選ばれていなくても、他の作品に負けていると思わないでください。実際このレコードに最も美しい曲のいくつかが含まれていないのは、その曲が単に”良き隣人”でなかったという事で、一つのリワーク作品だけ私のオリジナル作品と並んでいるのです。
しかしながら、みなさん自身の心を開いて私達とそのユニークさを共有したこと、そして一曲一曲の”Screws”のリワーク作品によって私は信じられなほど幸せを感じています。ありがとうございます。　
- Nils Frahm （ニルス・フラーム）





■Disc1: Screws
01: You
02: Do
03: Re
04: Mi
05: Fa
06: Sol
07: La
08: Si
09: Me

■Disc2: Screws Reworked
01: You (Bug Lover Rework)
02: Do (Databoy78 Rework)
03: Re (Helios Rework)
04: Mi (Soul Channel Rework)
05: Fa (Fred Yaddaden Rework)
06: Sol (Ruhe Rework)
07: La (Sebastian Freij Rework)
08: Si (Plasma Rüby Rework)
09: Me (Analogue Dear Rework)

（2016年1月21日発売）