ドイツはベルリンの名門レーベル『Morr Music』より、さやと植野隆司を中心とした日本が誇るポップ・デュオ“Tenniscoats”(テニスコーツ)が2007年に発表した名盤「Tan-Tan Therapy」がボーナス・トラックを追加収録し、リマスター&初ヴァイナルで再発!
今から15年前、日本が誇るポップ・デュオ、テニスコーツはスウェーデンのポスト・ロック〜エレクトロニカ・トリオ、テープとともに本作『Tan-Tan Therapy(タンタン・セラピー)』を作り上げました。テープの助力を得て作られ、スウェーデンのHäpnaからリリースされたこの作品は、テニスコーツが書いた曲をお互いに完全に打ち解けた状態で演奏し、優しく寛大な方法でアレンジした、結びつきの強いミュージシャン集団による探究的な音楽の美しい記録でした。その後、彼らは2012年にはテープとともにアルバム『Papa's Ear』を作っています。先日再発された『Papa's Ear』に続き、この度、リリースから15年を経て、ドイツのMorr MusicとAlien Transistorのコラボレーションにより、ボーナストラックを加え、リマスター盤として再発。初めてヴァイナルとしてもリリース!
優雅なポップ・ソング、秋のフォーク・ソング、優しくも危険な即興演奏に満ちた『タンタン・セラピー』。テニスコーツの代表曲のひとつであるポップ・ファンタジア「バイババビンバ」で始まります。ヴォーカルのさやが楽しげなブラスの上で軽快な呪文を繰り返す。高揚感のあるメロディと遊び心のある音楽性、そしてどこか愛嬌のある哀愁が漂う「バイババイバ」には、テニスコーツの真骨頂が詰まっています。
そこから本作は艶やかなブルーの色彩が広がります。水路の中を泳ぐさやの歌声に、ミュージシャンの優しい演奏がつるや海藻のように絡み合う「鳴咽と歓喜の名乗り歌」。「ウンバレパ!」は遊びと喜びに満ち、グロッケンシュピールがきらめき、スネアドラムのタトゥーが曲をどんどん前に進めていく。シンセサイザーとピアノのレイヤーで構成された美しいインスト曲「アビ、トラベルと」、『タンタン・セラピー』日本盤(2016年に7e.p.より発売)に収録されたエクストラ・トラック「グッド.B」は、さやとゲストの二階堂和美の美しいヴォーカルとポンプとハモンド・オルガンのハミングで、似たような雰囲気を漂わせています。テニスコーツとテープのメンバーが互いに深く共感していることが、全編を通して感じられます。それは、お互いの信頼と優しさからしか生まれない、会話のようで、優しく、時には壊れやすい音楽であり、プレイヤーそれぞれが音の共同体に貢献しています。
テニスコーツの根底にある自由と解放感。テープとその仲間たちが見事に拾い上げ、『タンタン・セラピー』の全編に渡って持ち続けているもの。これは、翼を広げ、空へ飛び立とうとしている音楽です。
A1: Baibaba Bimba / バイババビンバ
A2: Oetsu To Kanki No Nanoriuta (Given Song By Sob And Joy) / 鳴咽と歓喜の名乗り歌
A3: Marui Hito (Everyone) / まあるいひと
A4: One Swan Swim / ワン・スワン・スイム
B1: Umbarepa! / ウンバレパ!
B2: Abi And Travel / アビ、トラベルと
B3: Rolling Train / ローリン・トレイン
B4: Uta Ga Nainoni (Like No Songs) / うたがないのに
B5: Good. B / グッド.B [bonus track for japan]
(2022年10月7日発売)