カルロス・アギーレが新たな仲間と結成したグループ、アルマレグリア。7年をかけて作り上げられたこのアルバムからは、純真にメロディーやリズムを奏でる“喜び/アレグリア”にあふれている。
2024年秋にカルロス・アギーレ主宰レーベルShagrada Medraより配信リリースされた本作が、カルロスが自らアートワークを監修した6面デジパック+フルカラー・ブックレットという充実の仕様で『bar buenos aires』よりCD化。
ジャズやフォルクローレ、室内楽が溶けあうコンポジションと変拍子を交えたアレンジによる多層的な展開を、洗練を極めた幽玄の音世界に昇華したのがカルロス・アギーレ・グルーポの『ヴィオレータ』なら、本作では、その試みをさらに発展させたような、自由な遊び心と伸びやかな発想から奏でられる生命力と喜びにあふれたアンサンブルを聴かせてくれる。
既存の打楽器にとどまらず、日常の生活用具なども使った多彩かつ無限の音色の追求、そしてラテン・アメリカに伝わるさまざまなリズムを分析・融合し、新たな曲へと発展させていく試み、この2つがプロジェクトの根幹となっている。収録8曲のうち7曲が、カルロス・アギーレによるオリジナル曲。グループで演奏を重ねる中でメンバーの閃きや実験的なアイデアを貪欲に取り入れ、アンサンブルがじっくりと形作られていったという。
そのパフォーマンスにカルロスが惚れ込み、グループ結成を持ちかけたというルシアーナ・インフランの、たおやかでそよ風のようなヴォーカルとアコーディオン。今やカルロスの活動に欠かせないゴンサロ・ディアスが繰り出す変幻自在のドラム/打楽器。この2人にカルロスを加えたトリオから始まったというアルマレグリアは、表情豊かなエレキ・ギターで重要なエッセンスを加えるファブリツィオ・アマジャ、多種多様な打楽器とヴィブラフォンを演奏するイヴァン・ペトリッチ、豊かな音楽的素養を背景にした深みと情感のあるベースでアンサンブルを支えるセバスティアン・トソラという6人が響き合い、リズム、メロディー、ハーモニーが美しく調和した稀有なグループとなった。
01: Primera alegría (Carlos Aguirre)
02: Melodía que va (Carlos Aguirre)
03: Falsas coordenadas (Carlos Aguirre)
04: Brinquedo do triangulinho (Carlos Aguirre)
05: Coplas del valle (Ramón Navarro)
06: Compañero de ruta (Carlos Aguirre)
07: Diaroró (Carlos Aguirre)
08: Pájaros en la nieve (Carlos Aguirre)
(2025年4月25日発売)