東京のレーベル『Spekk』から2008年にリリースされた、カナダ在住のMathieu Ruhlmann(マシュー・ラフルマン)と、東京在住のアメリカ人、CelerことWill Longによる2組のサウンド・アーティスト達によるコラボレーション・アルバム。
1969年のゴルフ湾の資源調査のために航海に出たベン・フランクリン号に捧げる架空のサウンド・トラックで、3つの長編に別れており、 音の進行と共にその航海イメージが曲目に羅列されている。
音のほうは、現在はカナダのバンクーバーにある博物館に屋外展示されているベン・フランクリン号にコンタクト・マイクを取り付け、その周りのあらゆる天然素材をこすりつけたり、ワイヤーを取り付けて録音されたものや、「大航海」をイメージさせる近くの海の音といったフィールド・レコーディング、「当時の航海によって科学的発展という役割を果たさんとする人間の熱き想い」や、「航海の思い出」といった情感を表現するために加えられたピアノ、ストリングス、シンバル、自作装置によるエレクトロニクスを巧みに織り交ぜたもの。
特筆すべきは、コンピューターを一切使用していないこと。 その徹底したアナログへのこだわりは作品に絶妙な質感を与えており、また情景描写のために徹底して細部にこだわった作りはこの上なく精巧で、ヘッドフォンで本作を聴くと、あまりにも凄すぎて気が遠くなる程である。
※中古CD扱いとなります。
※ジャケットに皺がございます。ご了承くださいませ。
01: The Pulling Pools Of Piccard's Scientific Motions / First Night In Complete Darkness / Instrument Settings Below The Transparent Ocean / Our Entrance Into The Stream / Settling Inside The Natural Pathway / Carving An Impermanent Pathway Into The Moonlit Surface / The Melodies Of Our Heartbeats Slowing
02: Before Pollution / Underwater Thunderstorm / Family Photos Speckled With Ocean Dust / The Gentle Streaming / Glass Nets / Loophole / Pre-Sea
03: Passing Emptiness / Waking With The Resting Sun / The Coldest Surface Winds / Beyond The Ice Caps / Buoy / Disregarded Realizations And Discoveries / Leaving Everything In Peace
(2008年7月1日発売)