東京のausが主宰するレーベル『flau』から2010年にリリースされた、三重出身の作曲家、金津朋幸のデビュー・アルバム。

クラシック、ジャズ、ファンク、ラテン…ジャンルを横断しながら培ったキャリアが生み出した本作は、一遍の美しい短編小説のように隅々まで思慮深く構築され、デビュー作にして、既に名盤の風格を感じさせています。多様でありながら不思議な統一感を持った作風は、叙情的な旋律と情熱的なリズム、西洋的なハーモニーを同時に持ち合わせる豊かさを持ち、しなやかでいて強く、聞き手にある種の郷愁さえも喚起させます。

ストリングアレンジにEGO WRAPPIN'やトウヤマタケオなどを手がけた波多野敦子、ヴォーカルにMONO & World's End Girlfriendにも参加するMujika Easelと同レーベルからCuushe、オルガンにpopoの喜多村朋太など実力派メンバーが数多く参加。ミックスにはFISHMANSやUA、ボアダムズなどを手がけた林皇志が全面参加し、独自の音空間を作り上げています。

季節をテーマに作られた7編の優しい叙事詩。哀しみも喜びも、全てはここに。

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01: 4月
02: 鹿は緑の上を走る
03: 花泥棒
04: Prater
05: 4月のトルソ
06: 川沿いの日
07: サカイ

（2010年7月21日発売）