UKはロンドンのKode9が主宰する『Hyperdub』レーベルが、10周年を記念して制作されたコンピレーション・アルバム第3弾をリリース!
今回はBurialによるアトモスフェリックでビートレスな音楽を筆頭に、全体的にメランコリーで儚い世界感を表現している。コンピレーションでは、陰鬱な雰囲気のアンビエントな楽曲が満載で、Kode9、The Bug、Dean Blunt、Inga Copeland、Lee Gamble、Cooly G、Fatima Al Qadiri、Ikonika、DJ Earl (Teklife、Jeremy Greenspan (Junior Boysの片割れ) & Borysの新曲が収録されているほか、過去作品からはBurial、Laurel Halo、Fhloston Paradigm、Darkstar、Kode9 & The Spaceape、Dean & Ingaのトラックに加えて、殺人的なベースの太さで迫り来るKing Midas SoundとWaltonのトラックも収録されている。
『Hyperdub 10.2』は歌ものにフォーカスした作品であったが、今回の23曲は映画のためのミニ・サウンドトラックともいえる作品である。本作は、フロア向けのベース・トラックという「Hyperdub」のレーベル・コンセプトのオフ・シュート的作品であり、なんと、それぞれの楽曲がダブのアイデアを下に再解釈されたものとなっている。ヴォーカルやメロディーを減らしてエコーやリバーブを残す代わりに、『10.3』に収録されているのは、音楽の痕跡がほんの僅かな痕跡しか残っておらず、ドラムやベースが抜かれ、シンセサイザーやサンプル、ループの音だけの、ゆらめく煙や低気圧のような独特のエネルギーを感じさせる楽曲である。霞みがかったアーティストの意識、ダークかつアトモスフェリックな音像、消え去っていくメランコリーなインストの咆哮、まさにフィルム・ノワールを最新のエレクトロニック・ミュージックのみで表現したかのごとく不穏かつ幾ばくかのロマンスすら感じさせる本作は、モジュラーのフラットな音色が8分間に渡って続くトラックで幕を下ろす。そこには、脈拍も鼓動も残されてはいない…。
01: Burial / In McDonalds
02: Dean Blunt / Urban ★
03: Kode9 & The Spaceape / Hole In The Sky
04: Inga Copeland / I Am Your Ambient Wife ★
05: Kode9 / Pink Sham Pain Down The Drain ★
06: Laurel Halo / Melt ★
07: The Bug / Siren ★
08: Dean Blunt & Inga Copeland / Untitled 13
09: Walton / City Of God
10: King Midas Sound / Blue
11: Lee Gamble / DSM ★
12: Cooly G / Mind ★
13: Burial / Night Bus
14: Ikonika / Completion
15: Darkstar / Ostkreuz ★
16: Fhloston Paradigm / Liloo's Seduction
17: Ikonika / Time/Speed ★
18: DJ Earl / Hexgonic Sound ★
19: Cooly G / Trying
20: Laurel Halo / Wow ★
21: Fatima Al Qadiri / Shanxi ★
22: DVA / Reach The Devil ★
23: Jeremy Greenspan and Borys / Gage ★
★ = 新曲
(2014年9月20日発売)