シカゴを拠点とするインストゥルメンタル・ロック・バンド、“Tortoise”(トータス)。ポスト・ロック・シーンをけん引し、その代表的存在でありつづけてきた彼らが、実に約7年ぶり放つ通算第7作となるニュー・アルバム!
20年以上に亘り、形容を超越した独自の音楽を作りつづけてきた、ダン・ビットニー、ジョン・ハーンドン、ダグ・マッコームズ、ジョン・マッケンタイア、ジェフ・パーカーの5 人のマルチ・インストゥルメンタリストから成るバンド、トータス。彼らはこれまでに、ダブ、ロック、ジャズ、エレクトロニカ、ミニマルリズム等、多種多様な要素を内包した、6枚の影響力絶大かつ賞嘆すべきアルバムを残してきた。
その明白かつかたくななまでに独自のサウンドは、本作『ザ・カタストロフィスト』でも健在だ。
流麗なシンセをフィーチャーした、オープニングのタイトル・トラックのようなムーディなジャムや、ヒプノティックなベースとドラムが印象的な「Shake Hands With Danger」のようなナンバー、さらに、元USメイプル、現デッド・ライダーのトッド・リットマンが歌う、イギリスのシンガー/俳優、デイヴィッド・エセックスによる1973年のスマッシュ・ヒット「Rock On」のまったくもって奇妙なカヴァーが、なんの違和感もなく並んでいるのだ。先行シングル「Gesceap」では、穏やかに交差する2台のシンセ・ラインから、激しく凶暴なフル・バンドによる演奏へと変貌を遂げる。「Hot Coffee」では、2004年のアルバム『イッツ・オール・アラウンド・ユー』で見送ったアイデアをよみがえらせている。ファンキーなベース・ラインとストレートなダンス・ビートに、パーカーのフュージョン的なギターが炸裂する。ヴォーカル・ナンバーは「Rock On」だけではない(トータスのアルバムに複数のヴォーカル曲が収録されていること自体が驚きだ)。かねて交流の深いヨ・ラ・テンゴのジョージア・ハブリーが歌う、素直に泣けるビタースウィートでまっとうなソウル・バラッド「Yonder Blue」だ。その楽曲はアルバムを通じて我々の予想を超え、楽しく鼓膜を震わせてくれる。
★国内盤のみボーナス・トラック2曲追加収録。
01: The Catastrophist
02: Ox Duke
03: Rock On
04: Gopher Island
05: Shake Hands With Danger
06: The Clearing Fills
07: Gesceap
08: Hot Coffee
09: Yonder Blue
10: Tesseract
11: At Odds With Logic
12: The Mystery Won't Reveal Itself (To You)*
13: Yonder Blue (Instrumental)*
*Bonus Truck For Japan
(2016年1月6日発売)